第19章 湯殿
「あ、そうだ!乱ちゃん、これどうする?」
鞄から取り出した可愛らしい色の紙袋をボクの目の前に差し出す。あ、それ今日行った化粧品や石鹸のお店で買ったやつだよね。
ボク、ああいうお店屋大好き!店内に入っただけでフワッて甘い香りがしたんだぁ。あるじさんはあまり化粧品使わないみたいだから、二人で石鹸売り場に張り付いてたの。
「ボク、これ凄く気になってたんだよね〜!こんな丸いのお風呂に入れて本当に大丈夫なの??」
色々な色をした丸い塊や不思議な形の入れ物を、あるじさんは沢山買ってきたんだぁ。
「うん、入浴で使うものだから大丈夫だよ。皆に一声言ってからならきっと平気だって!」
そう言うと、悪戯っ子みたいに笑った。