• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第104章 シュワシュワ



「はい、どうぞ」

「ありがとう」

櫻井が買ってきたのはサイダーだった。

「ん~っまい!」

「くぅ~っ美味しい!」

思っていたより緊張していたのだろう。

それが弾けたように、二人して今日一番の声が出たように思う。

櫻井が乗るホームには、パラパラと人がいる。

「もうすぐ電車が来るみたいです」

ちょっとさみしそうな声色に、俺の胸がぎゅっとなって。

改札のほうに向いてしまう前に、ちゃんと伝えないといけないと思った。

カバンにサイダーをしまっている手に、俺の手を重ねる。

ビックリしたキミが俺に視線を向けた。

「翔くん、好きだ」

俺の言葉におっきな目が更に大きくなったあと、

「僕も大野先輩のことがずっと好きでした」

って。

「今度さ、そのあたりの話、じっくり聞かせて」

「はい、もちろん」

カンカン、カンカン、カンカン…

踏み切りの音が鳴りはじめる。

「じゃあ…先輩、また明日」

「またね」

お互いに姿が見えなくなるまで手を振っていた。



これから帰ると母さんに連絡を入れると“ショウが待ってるわよ~”って返事があった。

櫻井と気持ちが通じあえたのは、ある意味ショウのおかげかもしれない。

歩きはじめる前に、もう一度サイダーを飲むことにした。

シュワっと刺激があって。

その後は甘さが広がっていく。

櫻井との今日の出来事も頭に浮かんできて。

胸の高鳴りは静まりそうにない。

俺…

今日、眠れるかな。





END


/ 1027ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp