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私の好きと貴方の好き

第1章 EPISODE0 *ここから始まる


私も台本の確認をしたりもう1度声出しをしたりしていると扉が開いて昨日と同じスタッフさんが入ってきた

ス「では今回は特別ということで第2回目のカイン役オーディションを始めます
尚、付け足しで今回の件は全て梶さんの希望で実行されたものです
それではまず島田美華さん、お願いします」
貴「はい」


私は昨日よりは少しマシな緊張の中椅子から腰を上げた
昨日は感じなかった視線を感じて───


──アフレコスタジオへ移動中

案内してくれいるスタッフさんは少し前を歩いているのでその後ろをついて行くとくるっとこちらを振り返った


ス「さっきなんかすごい空気でしたけど多分今回のオーディションの事ですよね?」


スタッフさんは少し心配そうに尋ねてきた


貴「はい…」


私は俯きがちに答えた


ス「知ってます?あの時、梶さんがもう1度オーディション受けさせてあげてくれって言った時ホントは俺とか他のスタッフも監督にお願いしたんですよ」
貴「え?そうなんですか?」


私は驚いた

だってそんなこと梶さんは言ってなかった…


ス「はい。俺たちスタッフもそんなことを言ったんで監督も折れるしかなくて…
その後OKが出たから梶さんが『俺が1人でお願いしたことにしてください。俺が勝手に言い出したことなのにスタッフさんに迷惑はかけられない』って」
貴「そうなんですか…」


それでさっき梶さんの希望でってわざわざ言ってたのか
すごく嬉しいけどなんだか申し訳なくてしょうがない
私のせいであんなコソコソ話されるなんて…
あの時は私のことだったけど他のアフレコ現場とかで梶さんもあんなことされてたらと思うと心が痛む


ス「あ、着きました。オーディション、頑張って下さいね!」
貴「はい!ありがとうございます!」


悩んでてもしょうがない!
こうなったら何がなんでも自分の力で合格してあんなコソコソ噂しか出来ないような人なんか皆蹴散らしてやる…!!
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