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【ハイキュー】ウシワカイモウト第三部

第10章 ・仮想狩場の豹変少女 その1


野郎共が盛り上がり若利は特に表情を変えず大平はにこにこと見守っている中、コンコンと部室の扉を叩く音がする。誰だと呟きながら瀬見が扉を開けると

「失礼します。」

若利の義妹、牛島文緒その人が立っていた。

「おう、文緒どうした。」
「俺が呼んだ。」

尋ねる瀬見に答えるのは若利である。

「何だってまた。」
「今日は早く終わったからな、一緒に帰ろうと思った。」
「過保護野郎、と言いてぇとこだけどもはや校内で文緒の事知らない奴いないかもレベルになったもんな。」
「先日中等部の子にも声をかけられました。」
「どっかの阿呆が動画アップしやがるから。」
「俺ちゃんと顔ぼかしかけたケドー。」
「リアルで私を見かけた子がいたみたいでそこから。」
「ガチ目に怖い話じゃねーか。」
「大人がよく言ってるけどネットの利用は本当に注意だな。」
「獅音のお説教臭い話は置いといてー。」
「一番置いといちゃいけねー奴が言ってんじゃねぇっ。」

瀬見が天童の片耳を引っ張って怒鳴った所で五色が何かに気づいた。

「文緒、見るか。」
「うん、これもしかして狩りのゲーム。」
「おう、さっき天童さんと川西さんと白布さんでやってた。」
「そうなんだ。」
「お前もやるか。」
「やりたいけど今ゲーム機の本体持ってないし。」
「俺の貸してやるよ、上書き保存しても構わねーから。」

瀬見の申し出に文緒は恥ずかしそうに俯く。

「お借り出来るならありがたいですがあの、」

ほんの少しの間を置いてから文緒は言った。

「変形斧はありますか。」

義兄の若利と瀬見は勿論野郎共は一斉に文緒に注目した。

「ウッヒョーッ。」

高揚した天童が妙に高い声を出す。

「何々文緒ちゃんそっちの使い手なのっ。」
「ええ、ちっともうまくはありませんが。」
「ちょっとちょっと若利クン、何で教えてくんなかったのサー。」
「俺も初耳だ。」

天童に言われた若利は眉根を寄せて答え義妹をちらりと見やるが当の義妹は何か問題でもと言いたげに小首を傾げた。
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