第4章 甘いキスを教えてあげる ※【大将優】
「イッちゃった…?」
一度動きを止め、紗菜ちゃんの顔がよく見えるよう頬に落ちる髪を掻き上げた。
露になった瞳が俺を見つめ、恥ずかしそうに小さく首を縦に振る。
愛らしいその仕草に、思わず笑みがこぼれてしまう。
「嬉しいよ。気持ち良くなってくれて」
髪に触れていたそのままの手で、頭を撫でる。
気持ち良さそうにゆっくりと瞬きをした後、柔らかな腕が俺の胴体に回された。
「優さん…すっごく、好き…」
「俺もだよ…」
「私だけじゃ、嫌…。優さんも…気持ち良くなって?」
「じゃあもう一回、動いていい?」
「うん…」
挿入された状態のソレは、熱が治まることなど知らず猛ったまま。
再びユルユルと出し入れを始める。
しがみついてくる紗菜ちゃんを受け入れるように、俺もふんわりした体を抱き返した。
もう、局部だけじゃない。
全身が性感帯にでもなったかのように、気持ちがいい。
素肌で抱き合う行為は、こんなにも心地良かっただろうか?
彼女の唇から漏れる甘い声が、耳を突き抜ける。
紗菜ちゃんは俺の声をイヤラシイなんて言い方したけど、人のこと言えない。
上擦って震える声が、俺を昂らせる刺激のひとつになっているなんて…。
紗菜ちゃんはきっと、気づきもしないんだろうな。
「あぁ…んんっ!」
ギリギリまで引き抜いた男根を、奥の奥まで捩じ込む。
何度もそれを繰り返していると、紗菜ちゃんは尚更声高になり、俺にも果てが見えてきてしまった。
絶頂が最高潮の快感をくれるのはわかっているけれど…。
でもまだ、体ごと繋がっていたい…。
放ちたくなる欲望を押さえ付けていると、突然紗菜ちゃんの腰がグイ、と跳ねた。
「すぐ…さ、ん…!もう、イっちゃうぅ…!」
手が届きそうで届かない、あと僅かな終着点。
それを引き寄せるかのように、俺の動きに合わせて紗菜ちゃんの腰も揺れている。
ダメだろ…こんなん、耐えられるワケがない。
「好きだよ、紗菜っ…」
「すき、す、きぃ…!すぐ…さぁ、はぁっ、だっ…め、もぅ…ああぁぁっっ…!」
我慢していたものなんて全て手放して、俺も紗菜ちゃんも快感の頂点まで昇り詰めてしまった。