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日章旗のデューズオフ

第4章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)



★GK月島基&白石由竹(同衾主続き)

――……今度は顔も合わせる間もなく二人が帰っていった。居なくなったと気付いたのは夕飯を作り始める時分になってからだった。普段は声を掛けると月島は直ぐにキッチンまで来てくれるし白石はリビングではしゃいだ声を上げるのに、今日はそのどちらも無かった。
まさかと思って寝室や風呂場を慌てて覗き込んでも遅かった。彼らの為に用意した下着類も髭剃りも歯ブラシもそのままにして、彼らが元から身に付けていた軍事品や服飾だけが本人と共に綺麗さっぱり無くなっていた。
「……マジか」
積み上がった札束が無造作にベッドの上を占領している。前回よりも期間が長めだったせいか圧倒的に法外な金額だ。その消費を苦とも思わなかったのは。
「楽しかった、からだな」
誰が何のためにこんなことをするのだろう。彼らが元気にしているらしい事は分かっても、大元の謎は分からないままだ。頼むから、俺の心に空虚を残す理由を教えてくれ。
「……一人暮らしが辛くなるだろ、ばか」

★GK尾形百之助(同衾主続き)

事務所の新年会を終えて無事に帰宅したところまではしっかり覚えていたのに、深酒が過ぎたのか玄関の上がり框でスニーカーを脱ぎながらうつらうつらしてしまったみたいで、次に目を覚ました時には寒い廊下に横たわっていた。
「さむ……」
深夜も未明らしい。部屋の暗闇から差し込むテレビの灯りが目の前まで影送りのように伸びている。カラーバーの不規則な乱立だ。薬缶が沸いたような甲高いモスキート音が二日酔いの脳に直接突き刺さって酷い気分になる。
というか何故テレビが付いているんだろう。付けっぱなしで出掛けたにしては部屋の明かりはしっかりと消している。そうする時点で音が聞こえていない筈が無いのに。おかしいな。
「!」
酒浸りの頭でのろのろと考えていれば急に身体が浮遊した。肩口と膝裏を支点にしてグンッと一気に浮いたのだ。瞬間的に落ちると思って手足を動かすと、頭上から低い唸り声が響いた。
「名前さん、暴れんで貰えますか」
「…………お、がた?」
――水くさいな、アンタでしたら特別に百之助くんと呼んでも良いんですよ。そう囁いて柔らかく微笑んだ尾形は、惚ける俺と暫し見つめ合う事となった。

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