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日章旗のデューズオフ

第4章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)



★GK月島基(同衾主続き)

月島を銭湯に誘った時の嬉しそうな顔といったらない。今にも喜びの言葉を叫び出しそうな唇をわざと引き結んで震わせたり目を輝かせたり、意外と分かりやすい一面もあるものだ。
そうしてごねる白石を無理やり留守番させ、昼前には自宅を出て八つ時には帰路に着いていた。丁度良い湯加減ですっかり身体が温まったからか、昼食を食べ損なった胃袋がくうくうと活発に鳴く。お腹を擦りながら月島を振り返る。
「月島さん、夕飯には早いですけどお腹すきませんか?」
「ああ。昼逃したものな。食材を調達して帰るか」
「せっかくですから外食しましょう。白石さんには持ち帰りを頼みますので」
「分かった。行こう」
「やった! こっちが繁華街です」
「!」
そうと決まれば善は急げだ。月島の温かな手を掴まえて引っ張るように歩き出す。歩幅の異なる月島は呻いてからよろけたけれど、直ぐに体幹を正して後を着いてきてくれた。握った手は振り払われなかった。

★GK月島基(同衾主続き)

やはり夕飯前だからお腹いっぱいになるような定食屋やラーメン屋は避けたい。かといってファストフードだと忙しなさそうで月島とゆっくり出来ない。
例えば、軽食は軽食でも喫茶店ならどうだろうか。コーヒーとか頼めば長居できるしサラダやサンドイッチなどの小腹満たしにはもってこいの食事も提供される。月島には既に洋食の味を知ってもらっているのでピザトーストとか喜ぶかもしれない。試しに聞いてみようかな。
「喫茶、あー……茶屋に行きませんか?」
「――なんだと。腹が減ってるんじゃなかったのか」
何故か月島は怪訝な顔で俺を見つめる。茶屋だから甘味しかない所で腹が満たせるかよって事かな。彼は俺よりもお腹が空いているのかもしれない。
「夕飯前だから簡単に済まそうかと思ったんですが、すみません、気が利かず」
「君と茶屋へ行って簡単に済むはずがないだろ。良いのか、俺で」
「そりゃあ、月島さんしか一緒に行く人いないですし」
「そうか……」
――なんか会話が噛み合っていない気がする。行きたくないのかと思えば、口角を上げて男臭く笑いながら俺の返事に瞳をギラギラと光らせたりして。なにか勘違いしてる? 俺の言う『茶屋』と月島の言う『茶屋』に違いでもあるのだろうか。「後から『白石由竹が良かった』などと言うなよ」と、囁かれた台詞に何故か悪寒が走った。

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