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日章旗のデューズオフ

第3章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)



★GK尾形百之助(同衾主続き)

「尾形さん」
「……」
「……百之助くん」
「はい、名前さん」
名前を呼ぶと身を起こして花が綻ぶように笑いかけてくる尾形に全身の筋肉が強ばる。暗闇の中、体育座りの姿勢でカラーバーのみを映すテレビへ底の見えない瞳を向けている光景にゾッとさせられていたのだ。一転して嘘みたいな穏やかさを見せる姿は、体幹を貫く芯が真冬の寒さに縮こまるのとは別の悪寒を覚えさせた。
俺の上から退いて寝室を静かに出ていった時は、まさか外に出てしまったんじゃないかと不安に駆られて部屋を飛び出したけど、蜻蛉返りして気配を探れば彼はリビングにいた。そういえば俺が新年会から帰宅した時もテレビが付けっぱなしだった事を思い出して目眩がする。
「百之助くん、お茶入れるからおいでよ」
「ありがとうございます。いただきます」
茶器を棚から下ろす俺の腰を尾形が後ろからゆっくりと抱き締めてくる。情緒が明らかに激しく変動している様子に恐怖心がないわけじゃない。深く熱い溜め息を零しながら肩口へ頬を擦り寄せる幼さを憂いながら、やたらと拗らせたなぁ、と項垂れた。

→(未)
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