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日章旗のデューズオフ

第4章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)



★AoTエルヴィン・スミス

ほぼ崩壊した兵団において普段ならば近寄ることすら許されない団長と距離を縮めることになった。医療班の中でも末端の末端に席を置く俺が怪我を負った団長の世話だなんて恐れ多かったが、戦地で腕を振るうために従軍した先輩達はみんな巨人の腹の中か事故で死んでしまって居ない。だから段飛ばしでお鉢が回る羽目となったのだ。
「団長、お身体お拭きしますね」
「ありがとう、壬生」
「いえ」
傷だらけの広い背中に濡らしたタオルを当てて軽く擦る。瘡蓋もあればみみずばれもあるし、治りかけの傷も治った痕も大小様々だ。それらを労わるように緩く撫で続ければ、団長は困ったように笑いながら「擽ったいよ」と吐息を漏らした。

★AoTジャン・キルシュタイン

しがない調香師である兄は貴族相手に香水を売ることで生計を立てている成金の一人だ。かといって金持ちを鼻にかけることもなく、財産の三分の一は兵団やお偉いさんへの資金援助へ回している人だった。調査兵団へ入った俺への支援も手厚く、月一度届く仕送りにも品のある小物や羊皮紙仕様の本を贈ってくれたりする。中でも嬉しいのは俺をイメージして作られた匂い袋だ。
「お、またお前の兄貴の匂い袋か」
横からジャンが肩を組んで来て手元を覗き込む。初めて荷物を見られた時、彼なら『男が香水なんか』と馬鹿にしてくるかと思って身構えていたのに、意外にも好奇心旺盛に食い付いてきた。調香師の兄がいると説明すると「へえ、洒落た仕事じゃねぇか」と柔らかく笑って。それからジャンを見るたびに褒められた喜びを思い出して態度が勝手に軟化するようになった。
「ジャンのも入ってたよ、はい」
「えっ、本当か」
「君の話をしたんだ。同期に兄貴の仕事を褒めてくれた人がいるって。そしたらお礼をしたいって言うからさ」
「そんなつもりじゃなかった」
「良いんだよ、貰って欲しい」
「そっか……うわ、嬉しいもんだな。ありがとな」
普段の傲慢な態度はどこへやら。本当にせびるつもりもなかったという素直な表情で驚いてみせ、一転して喜びに満ちた可愛らしい顔で匂い袋に鼻を寄せる姿に胸の奥が甘く疼いた。

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