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死神に教わる甘え方。【R-18】

第4章 12月16日【あと8日】


「椎名さんは何が食べたい?」

部活が終わり、少しだけデスクワークをしてから駅前のレストラン街に寄っていく。

「森下先生の好きなもので」

「……先生?」

「あ、えーっと……森下さん」

昨日の告白から、森下先生は業務外で先生と呼ばれるのをすごく嫌う。なぜか、と問うほど私だって無神経じゃない。

ほら、よく漫画であるじゃん?俺はお前のこと好きなんだから先生、とかそういう他人行儀なのは嫌なんだよ……みたいなの!まじであれはやばい。女心を鷲掴み!って感じ!ツンデレとか好みすぎて……

「椎名さん?行くよ」

ま、現実と漫画は違うか。
なんて当たり前の事を思いながら、頭の中に湧いて出た少女チックな考えを抹消する。

「どこに行くの?」

目的地はもう決まっているのか、色んなレストランが並ぶこの街をそこ目掛けて迷いなく進んで行くから不思議に思って問いかける。

「着いてからのお楽しみ」

なんてつれない答えを返された。
少しむっとなるけど、そう言われると期待するしかない。どんなレストランなんだろう、とわくわくしながら後について行く。

外食なんていつ以来だろうか。
他人が作ってくれる料理だって、つい最近久しぶりに食べたくらいだ。

「………はあ」

森下先生に聞こえないくらいの本当に囁かなため息をつく。

死神のご飯が食べたいな……。
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