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タイトル未定《ドリフターズ》

第7章  七




寝床まで戻る間
林の中には2人の
土を踏む音だけが響く


先ほどからのギスギスとした雰囲気に
初めに声を出したのは晴明の方だった



「すまない」


そう声に出すと、はピクリと俯いた顔を
あげ、なぜ謝られたのかわからないと言う顔をする



「があんまりにも綺麗で、余裕が無くなってしまった

師範として申し訳ない」




『お師匠様!謝らないでください!
私、そんなつもりで言ったんじゃないんです。
私こそすいません』



は、晴明の頬を両手で掴み
上を向かせると恥ずかしそうに目線を泳がしながら



『いつもと違うお師匠様も素敵だなって思っただけです』



その一言は、晴明も予想できないもので
の手のひらの中にある晴明の顔が
驚くほどに熱を持つ。


「あ、貴女はっ‥‥‥」


そう言うと、にこりと余裕のある笑顔を見せる
に、ぐっと言いたいことが喉の奥に詰まる。



晴明は、自分に触れるの手をつかみ
細く長い指へと口を寄せ
リップ音をたてて、2、3度唇をつけると
「明日は覚悟しておいてくださいね」
甘く低い囁きと共に、がぶりと
指に歯を立てる晴明に、は
目を見開く。


そのまま先に寝床に入る晴明の姿を
痛みと熱を持った手を握りしめながら見つめていた。












晴明は寝床に入ると共に、顔から布団へと倒れこむ
思い出せばすぐにでも熱を持つ
下半身に小さく溜息を付く。


彼女のあどけない表情や、無邪気な笑顔を
不意に見せる色気と余裕に
振り回される自分に
「いい歳して‥」
自虐的な独り言が漏れる


ふとエルフの寿命を思い出し
もう、年齢ことは考えるのはやめようと

疲れた瞼を閉じた。


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