第15章 信じることは簡単なことじゃない!
学校を出て夏海の行きつけだという美容室へ直行
「気合い入れるわよ!」
『…えっと…夏海さん‥?』
「とびっきり綺麗にしてください!」
状況を把握しきれないままキレイなお姉さんたちに囲まれる
お姉さんたちの迫力…
『…お手柔らかにお願いします…』
思わず苦笑い…しかし…
「やっぱり若い子の肌は潤いがあって良いわね」
「良い素材だと腕がなるわ!」
「あら、これだと濃すぎかしら?」
「薄めでも十分よ」
「この髪型どうかしら?」
「顔に負けないくらいのドレスよね?」
「やっぱり赤じゃない?」
「こっちのドレスもいいわよね?」
「アクセサリーは控えめにしましょう」
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「「「きゃあ!ステキ!」」」
『……』
時間は思っていたよりも経っていなかった
でもすっごく疲れた…
途中でお姉さんたちが揉めて‥かなり焦ったし
うん‥
もう一度おまけに言っちゃうけど…疲れた
『はぁ…』
「あいり!遅いわ!遅刻ギリギリよ!」
振り替えると肩幅に足を開き腕を組みドンッと立っている夏海
いつもより少し濃いめのメイクをして綺麗な黒髪を上品に束ねていた
夏海の隣に並んでもいいのか…と躊躇しそうなほど、水色のマーメードドレスは似合っていて
歩く度に見え隠れする綺麗な脚…
「あいりなの?すごく綺麗よ!橘なんか目じゃないわ!」