第12章 なぁ、たまには慰めろよ…
「まずこれが同じ犯人に見えるか?」
和馬のパソコンに防犯カメラの映像が映る
右が夏海、左が橘が襲われたときのものだ
「格好も人数も同じだね~」
「同じ日に襲われてんだから、格好も人数も同じなら同一人物だろ?」
だよな?と二人で頷きあっている海斗と斗真
「‥馬鹿二人しっかり考えてください。いくら馬鹿とは言え、普通同じ格好でそのまま現場付近にいたら我々に見つかります。なら逃げるのが当たり前です。それと夏海と橘の身長差は10センチ以上…しかし、奴等との身長差を見てください…」
俺の考えに頷く和馬
「俺もそれが不思議だったんだ。映像を分析すると…この黒の服を着た男は夏海ちゃんのときだと170センチ程度…橘のときだと180センチ。明らかに不自然だろ…」
「まじかよ…」
「ってことは犯人は2組いんの~?」
「そうなりますね」
「面倒くせ~っ」
海斗と斗真も理解したようでソファーに座り項垂れている
ガチャッ
「おはよ……」
「陽希、遅刻ですよ」
「…寝坊…した…」
完全に目が開いていない陽希はふらふらしながら自分のハンモックに座る…
「では、引き続き和馬は調べてください」
「了解…」
「海斗と斗真はいつもの場所で橘について調べてもらえませんか?」
「「了解!」」
「…夏海は俺の部屋で待機していてください。外には一歩も出ないでくださいね」
「…はぃ。」
一歩もですよともう一度念を押して言うと顔をひきつらせる夏海