第12章 なぁ、たまには慰めろよ…
その場に立ち尽くしていた…
私しか腕に抱かないと思っていた
それなのに…
「ほら…言ったじゃん…。先に進むとショックを受けるって…」
いつの間にか後ろにネコがいる
「せっかく家から逃げてきたのに、愛するは人は婚約者と抱き合っている…ククッ」
静かに溢れ出す涙…
「“王さま”は元からとっかえひっかえだし、分かってたでしょ?ククッ…バカなあいり」
思考は止まり頭が真っ白
「自分が特別だと思ったの?」
呟かれる悪魔の囁き
「あーあ、可哀想に…
あいり捨てられちゃったね?」
そっか…私…捨てられたんだ…