第1章 転
みわ
「…女将さん……あの…」
興奮している女将さんに、
精一杯の声…(多分全然出ていない)で話しかけた。
女将さん
「なんだいっ!!うるさい女だねぇ!!!!」
私は近藤さんの懐から自分の意志で離れ、
興奮している女将さんの前へ出た。
みわ
「あの…お祝い金って……隊舎の女中って…」
女将さん
「フッ!」
女将さんは嫌な笑みを浮かべると、
気を紛らわせる為かエプロンのポケットから煙草を取り出し吸い始める
女将さん
「人伝に聞いたんだよ。
働き者の女中を真選組が募集してるってね!!
女中になった娘の家族やらには、お祝い金が幕府から支払われるって…
ただそれだけの事さっ!!!」
女将さんはそれだけ言うと
煙草の煙を私にわざと吹きかけ
嫌な笑みを浮かべながら奥に引っ込んでしまった。
みわ
「……」