第4章 刀剣男士から見る、あの子。【中編】
「私、おばあちゃんの事が好きなの」
「うん、そうみたいだね。わかるよ」
「本当に、本当に。大好きなの。」
「僕らも同じさ」
そう頷く眼帯の人は優しそうな眼でおばあちゃんと、私を見る。
「時々変な事を言う人だったけれど」
「…」
「本当に、本当に大好きなんだから!」
そう伝えて、おばあちゃんの手を離すとおばあちゃんは眼帯の人の腕の中に収まった。
驚いた顔がママそっくりで、私もびっくりしたけど、そりゃママを産んだ人だもんねと納得した。
「おばあちゃん、泣かせたら祟りに行ってやる!」
「うん」
「絶対、ぜーーーったい、許さないんだから!」
「つむg「おばあちゃん」」
何か言いたげなおばあちゃんを遮って、いままでありがとう、そう伝えると一陣の風が吹いて私はおもわず、目を瞑った。
次に目を開けた時、そこにあった祠はなにもなくてただ落ち葉が積っていた。
そして、私もそこで何があったかなんてまるで覚えてなくて。
「…あれ、なんで」
「私…あれ…」
「あれ?」
ただ、流れる涙を拭って、その場を立ち去った。
その日、おばあちゃんはまるでいい夢でも見ているかのように笑って亡くなったのだと知らされた。
fin.