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この世で美しい物をあなたに

第10章 記憶が突然消えた…だけど今はそっちの方が良いのかもしれない



私は書類を持って団長室に向かった

バターン

エルヴィン「足で開けないでくれ」

スミレ『書類を両手にもってるんで無理です』

ドサッと私はエルヴィンが座っているデスクに書類を乱暴に置いた

スミレ『黙ってこれだけの量を私のデスクの上に置かないでよ…』

エルヴィン「それはすまなかったね」

スミレ『絶対思ってないでしょ』


はぁ…とため息を着くと規則正しいノック音が部屋に響いた


ガチャとエルヴィンの返事を待たずに扉が開いた


入ってきたのはリヴァイだった


エルヴィン「返事を聞いてから入りなさいと言っているだろう…」

リヴアイ「いつもの事だろうが…」

エルヴィン「そうだが…それで用件はなんだ?」

リヴアイ「外出許可を貰いにきた」

スミレ『何処かに出掛けるの?』

リヴアイ「あぁ…ちょっとな」

スミレ『?』


そんな会話の中、エルヴィンは何か察したのか


エルヴィン「……許そう」

リヴアイ「礼を言う」


とだけ残してリヴァイは出ていった


私はその後リヴァイが出て行ったドアを一点と見ていた

エルヴィン「…気になるかい?」

そう聞かれ私はゆっくりとした動作でエルヴィンを見てそして窓に目を向け

スミレ『……別に』

とだけ残して出て行った

その時のエルヴィンの顔が…何処か悲しく見えた


―自室―

私は部屋に入りベッドにドサッと仰向けに倒れた


暇…とてつもなく暇


リヴァイも居ないし…やる事も無くなった


こういう時…向こうの世界で私、何してたっけ…


あれ?そもそも向こうの世界って?


スミレ『ダメだ…全然思い出せない…私…この世界に馴染みすぎた…』


モヤモヤし過ぎて反吐が出そう…よそう、この事はもう…あぁ!モヤモヤ消えない!


「馴染むことはいい事だと思うが?」

スミレ『リヴァイ…おかえり、そして不法侵入はやめて怖い』

リヴアイ「あぁただいま…そうか?…それでどうした?悩んでるようだが…」

スミレ『昔の記憶が突然消えた…だけど今はそっちの方が良いのかもしれない』

私がそう言うとリヴァイは首を傾げた

リヴアイ「よく分かんねぇが…トリップしてくる前の記憶が無くなった…ということだな?」


私はコクリと頷いた。

リヴアイ「まぁ…馴染みすぎたこの状況なら…今の方がいいな」
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