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【銀魂】見つめる鍋は煮え立たない

第7章 大晦日はOh!味噌か


こたつに入ると思わず、あ’ぁ〜、と声が出る。

オッサンかよ、と沖田さんに言われるが仕方ない。今まで寒い縁側にいたんだ。こたつはまるで天国のように感じられる。

テレビをつけるとMHNで大晦日恒例の歌番組がやっていた。

現在はカトケンサンバで会場が大きく盛り上がっていた。


「この人も凄いですよね」

「何が」

「なんか、人ってここまで変われるものなのかな、みたいな。もっと、カトケンもクールというかなんというか、固いというイメージがありました」

「物理的に?」

「そんな訳ないじゃないですか」

「ま、そういうイメージに疲れてたんじゃねェの?ここまでやりゃあこの後なんでも出来るだろィ」

「そういうことなんですかね...」


みかんをとり、皮をむき食べる。

ずっとこたつの上に置いてたからか少し温かい。そして甘い。

カトケンサンバが終わり、次は大人数の女子のアイドルグループ。

沖田さんはそのアイドルグループのパフォーマンスをじっと見つめていた。


「好きなんですか?」

「何が」

「この、アイドルです」

「あ?ちげェよ。どいつが調教しやすいか見てただけだ」

「うわ...」

「例えばこのセンターのやつはダメだ。すぐ堕ちるタイプだな。その横のヤツもSに見せかけてるけどMだ。

それに比べて後ろの、ほら、右の奴」


そう言って沖田さんは少し目立たないようなところにいる子を指さす。


「こいつァ、本物のSだ。出来ることならこいつを調教してみたいね。こういう気取ったSな奴が堕ちるときは本当快感だぜ」

「うわぁ...」


寒いけれどこたつから足を抜く。


「ちょっと...真面目に引きました。今まで沖田さんは最低の鬼畜野郎だと思ってましたが、鬼にも畜生にも失礼でした。謝ってきます」

「おお、謝ってこい。そのままそいつらに殺されろ」

「理不尽ですね」

「世の中とはそういうもんだ」

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