第10章 突然の別れ
そんな平和な日々に終止符が打たれたのはあまりにも意外な事実だった。
それはある日の夕食の途中。
「なぁ、ミカ。キングダム商会って知ってるか?」
キングダム商会、それはステラさんの仇である奴らだ。
「もちろんよく知ってますよ。…というかお姉ちゃんに聞いた方がいいじゃないですか?」
「へ??…なんで私なの?」
「なんでも何もキングダムの会長、お姉ちゃんのお父さんじゃん」
……………は?
「何言ってんの。だってあいつは…あいつは私がっ_「アオメ、お前知ってたのか!?!?」
私も動揺する中、さらに動揺してたのはステラさんだった。
私はその問いに首を横に激しく降る。
「会長の名はスーダン マテラターニ。紛れもなくお姉ちゃんのお父さんだよ」
「お前、嘘ついてたのかよっ!!!!!!」
掴んでいた私の服の襟をパッと離したため、私は椅子から転げ落ちる。
「違いますっ!私は知らなくて…」
その言葉の続きを言おうとしたが、ステラさんは食堂から出て行ってしまった。
「なんであいつが…本当に私のお父さんなの?」
私はあまりにも突然なことで、床に倒れたまま言う。
「うん、一度話したことがある。けど、アオメがあの人の存在を知らないとは思ってなかった」
「なぜアオメさんは自分の父のことを知らないんですか?」
メルロさんは私に手を差し出してくれたので、それにつかまり起き上がる。
「私が孤児になった理由は私が両親を殺したからなんです。私はこの手で父を…殺したはずなんです」
「「お父さんを…殺した!?!?」」
メルロさんとクレナさんからは驚きの声が漏れる。
「だからあいつが生きてるはずなかったんです。…どうしよう、ステラさんに誤解されちゃった」
前に彼の過去を聞いた時、私はどこかそれは他人事のように感じてた。
でも今は違う。彼が恨んでる相手、それは私の父なのだ。
「ミカ、私お父さんに会いに行ってくる。……それで、殺さなきゃ」
「殺すって…キングダム商会はそんなに甘くないよ「でも殺さなきゃ!!」
もう2度とあんな思いはしたくない、大事なものは奪われたくない、いやだっ!