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殺し屋が執事になってみました。【R18】

第8章 忍び寄る恐怖と出会い


ミカの手が真横のスッと伸び、ステラさんの方に行くことを防がれる。



「ミカ、なにやられてんの?弱くなったんじゃない?」


「お姉ちゃんまで僕を怒らすの?」



口では強がっているが、状況的にミカは圧倒的不利だ。


先ほど持っていった銃は見事に粉砕されているし、怪我もしてる。

一方でステラさんは銃も剣も持っている。



「スペルタールが情けないね?」

「お姫様は黙って後ろで観戦しててよ」


なんて言ってる合間もミカは攻撃を受け続けている。



「私がただのか弱いお姫様じゃないのはミカが1番知ってるでしょ?」


そう言いながら私はミカに銃を投げた。



「なっ、アオメッ!お前、まさかっ⁉︎」


ステラさんが驚きの声をあげるなか、私ももう1つの銃を構える。



「ミカ、庇うのはこれが最後だから」

「やっぱりお姉ちゃん、最高かも」



2人で顔を見合わせて微笑むと、1つの標的に向かって飛びかかる。


久しぶりのミカとのチーム戦、心は踊るけどなんとかセーブしなきゃ。


これ以上ないほど、頭で計算しつつ行動する。



1番いいタイミングを探さないと………
今だっ!!



ステラさんの体勢が崩れ、ミカが引き金を引こうとした瞬間____。


ガンッッ



ミカの頭めがけて、銃をぶん投げるとそれは鈍い音を立てた。


意識が朦朧としたミカにすかさず近づき、先ほどと同じく気絶させる。


残ったのは荒い息が2つ。



「ステラさん、大丈夫ですか?」


私が近くに寄ると、その場でゴロンと寝転がった。


「なんだよ、演技かよっ!どっちか分からないわっ!」


「敵を騙すには味方からって言うじゃないですか。しかも、ステラさん無傷に見えて結構折れてますよね?

ミカにはバレてなくても、私にはバレてますよ」



うっかりステラさんが撃たれないように、私が銃口を向ける位置を計算して彼の逃げ道を誘導しておいた。



「で、お前がこんな面倒くさいことをした理由は?」


「ミカのこと、ルータスに入れてくれませんか?悪い子じゃないんですよ、強いですし。

ということを話したかったのですが、こうする前に言っても脅されてるなんていう憶測もつくでしょう?」



私はそう言いながらステラさんを起こして、簡易な治療をする。




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