第2章 キッカケ
「こんにちは。あなた、桜木遥さんで間違いない?」
『あ、はい、そうです。』
話しかけてきたのは、3年生の先輩だ。
美人だと校内で有名だから、私にもわかる。
「私、清水潔子っていうの。男バレのマネージャーをしてる。それでね、もしよかったらなんだけど――」
かくかくしかじかを聞いた私は、話を聞き終えた瞬間に『はい、見学に行かせてください』と答えた。
これは、チャンスだ。
1か8か挑んでみるしかない。
もうバレーはしたくないと思っていたけれど、マネなら良しとしよう。
「本当?じゃあ、放課後また来るから。」
そう言って、清水先輩は去っていった。