第1章 新しい居場所
心の中でつぶやいたその時だった。
「どうしたの?何かあった?」
いきなり私の顔を覗き込んだのは、優しそうな男の人だった。
私は驚いてしまい、つい「キャッ!!!」と叫んでしまった。
「ごめんね。驚いちゃったかな?」
男の人は笑顔でそう言った。
・・・誰なんだろう?
「僕は、シェアハウス・キャッスルの管理人、城野令音です。僕の経営するシェアハウスは、親に恵まれない子が暮らしています。」
「シェ・・・シェアハウス?」
「はい。貴女がこんなに遅く一人で歩いているので、何かあったのではないかと思って・・・」
「・・・」
「何かあったのですね。」
「はい・・・」
私は令音さんにすべてを話した。令音さんは最後まで話を聞いてくれた。
それから、お父さんは虐待と暴行罪で逮捕された。私は、シェアハウスに住むことになった。
シェアハウスは大きかった。
一体誰が住んでいるんだろう・・・
胸を弾ませながら、シェアハウスに入った。
すると、目に入ったのは・・・
「えっ・・・」
なんと、男だけだった。