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俺らのマネは地味子さん。

第11章 EIGHT





ー丸山sideー

夏に本格始動していたコンサートツアー。
着々と準備は進み、勿論俺たちのダンスや演奏も熱を帯び始めた。

「休憩しながらでいいので聞いて下さい」

フロアに響くあずみさんの声。
最近は、レッスンばかりで久しぶりに会った。

マネージャーだと言っても3人いるし、基本あずみさんはメンバーの誰かと局入りしてる事が多い。

「錦戸さんのNEWS脱退はご存知だと思います。
発表は、今月7日丁度1週間後にマスコミ各社へ事務所から一斉にファックスする事になりました。
脱退発表後、初めての番組は14日に生放送歌番組があります。
その前日に錦戸さんにはサイト内のブログでコメントをお願いします」

そして、何より脱退へ向けての準備がある。
脱退は亮ちゃんだけじゃく智久くんも同時。
発表日がどんな騒ぎになるか今からドキドキしてた。

「あのさ、因みに事務所的脱退の理由ってどうなってるんや?」

しぶやんの言葉に俺は亮ちゃんを見た。
信ちゃんから聞いた話だとその話が持ち上がったのは同時ぐらいらしい。

「錦戸さんの意思を尊重した結果だと認識して下さい」

事務所からは何も言ってへんっう事か・・

テキパキと話すあずみさん。
忙しいのはわかるけど・・
なんか、こーうあらへんのかな・・

「おい、マル聞いてんのか?」

「あっ、うん、聞いてるで」

いつの間にかみんなの視線が俺に向かってた。

「再度言います。
発表後は暫くみなさんの周りが騒がしくなると思います。
週刊誌記者等充分に気を付けて下さい」

あ・・
明らかに俺見て言ってるで。
すまんと顔の前で手を合わせ、あずみさんに謝った。

頷き、先に進むあずみさん。

大事な話ほど周りを見ている。
誰も置いてきぼりにはしない。
よく話が逸れる俺らにはピッタリなマネージャーや、ほんま。




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