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俺らのマネは地味子さん。

第15章 TWELVE





ー村上sideー


1月下旬。
大阪が雪に埋もれた。

数年に1度の大寒波。
その日俺たちは、番組撮影のため大阪入りしてた。


「ホテル手配しました」

山田の言葉にやれやれと重い腰を上げる。
撮影は既に撮り終わり、帰るだけの段階になって初めて新幹線が動いてへん事を知った山田は大急ぎで宿泊先を手配し回ったんや。


「山田気抜け過ぎやで」

「すみません」

大倉の怒りは当然。

「白元さんならちゃんとやってるで」


ーガタンー
ペットボトルを落としテーブルを濡らす、すばる。


「・・大倉言い過ぎ。
山田も早く慣れろ」

最後の山田への言葉はすばるを見て言った。

お前もや と、気持ちを込めた。
ほんま、そろそろ前を向いて欲しい。


「ほら、すばる行くで」

素早く拭いたヨコが、ぼんやりとするすばるを引っ張り立たせた。

カメラの前や人前ではいつも通り、何も変わらへん。
けどな、メンバーの前とかではずっとこうや。

何の意欲も持ってへん、すばる。


「しぶやん、相当ショックやったんやろーな」

「ヤス・・」

「信ちゃんは大丈夫?」

「マル・・何言ってんだよ」

俺の左右に立った2人。
窺うように俺を見てきた。


「うーん、ヤス・・」

「はぁ・・・、信ちゃん。
上着裏表やで」

あ''ぁ?!
ほんまや・・。

「信ちゃんほんま、しっかりしてや。
信ちゃんが崩れると俺らヤバイで」

「わかってる・・すまん。
ほら、亮行くで」


ボーッとスマホを眺めてる亮を連れ、俺達は楽屋を後にした。




この場に白元の姿はなかった。

ここ数週間、あの元旦のホテルから俺たちは白元に会えていなったや。








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