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俺らのマネは地味子さん。

第12章 NINE






ー渋谷sideー


ステージ裏。
裏で中継入る予定のために一旦、みんな引っ込んだ。

途端にヒナがヨコを叱ってる。
あー、インカムの事やな。


「すばる!
お前も一緒にいてんなら、止めろ!怒れ!」

「ええやん」

「ええやんやない!
白元を探したい気持ちはわかるけど、今はコンサート中なんやでっ!!」

「わかってる!
けどな、ヨコも俺も誰1人手抜いてねぇぞ!」

「・・・わかってる」


わかってるなら、言うなや。
いくら俺だって、エイターを蔑ろにはしてねぇよ。


「山田!どこや!!」

俺は、ペットボトルの蓋を開けながら山田を探した。


「っうか!何でペットボトルの蓋キツく閉まってんねん!」

「あずみさんいないからねー」

「マルちゃん、俺の開けて」

そーいや、そうだ。
いつも新品のペットボトルは渡す前に軽く緩めて手渡ししてくれてたな。


「マル、俺のもや」

「・・な、大倉とドラムでパワー使って、信ちゃんはキーボードだから特に軽く開けてあったけど・・
すばるくんのは何でなん?
俺は開けてもらった事ないんやけど・・・」


亮、今更こんな時にそんな事聞くなよ・・

「あー、それはしぶやんが駄々捏ねただけやで」

「えっ?ほんま?」

「・・・山田どこや!!」

「あっ、逃げた」


ええやろ、別に。
だってな・・


「渋谷さん何かご用意ですか?」

今までどこに隠れてたのか、恐る恐る出て来た山田。

「地味子はどこの席や!」

「えっ?」

「オカンのチケット渡したんやろ?
どこの席?関係席のどの辺なん?」

「あぁ!違いますよ、あれは白元の発案で一般席を取ったんです。
場所は、アリ・・っっ!!」


口が滑ったとでも言うように口を押さえる山田。
ほんま、こいつ隠し事出来へんタイプやなー。
まぁ、それはそれで助かってんやけど。


「えっ?オカンの席、関係席やないん?」

「いや、あの・・」

「今、確かアリってゆーたよな?」

「アリと言えば・・・」

大倉とヤスが山田に詰め寄る。
一生懸命、首を横に振って否定するがもう遅いで。

「アリーナや。
地味子はアリーナ席のどこかにおるで!!」

俺はニヤリと山田に笑いかけた。
さぁ、次はアリーナのどの辺か吐いてもらうでっ!




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