第10章 リクエスト作品 ずっと笑わせてやるから〜おそ松〜
「ん…んんっ」
「…は……エロっ……その顔…」
強引なキスが私の思考をぐちゃぐちゃにしていく。
おそ松くんはいつもそう。そうやって、私の心にいともたやすく侵入して、ハートを丸裸にする。
自分を見せるのが、知られるのが怖かった。
怖かったからいつも受け身で、自分を守り、偽って。
仕事だってそうなの。今日も上司に受け身でいないで自分から仕事を探せ、周りの状況を把握しろ、無愛想で勤務態度が悪いって、当たり前のことを叱られちゃったんだよ。
そんなどうしようもない私を、おそ松くんはいつも元気づけてくれる。玄関のドアが開く音がするとね、心に光が灯るの。ああ来てくれた、またあの大好きな笑顔が見られるって。
おそ松くん、ありがとう。
私と一緒にいてくれて。
2人の舌が絡み合い、ぐちゅぐちゅと唇が合わさる音が響く。私が舌をあまり動かせずにいても、おそ松くんは情熱的に舌で愛撫を続けてくれる。
止まないキスに息苦しくなって顔を逸らす。
「逃げんなよ」
吐息と共に低い声で囁かれる。
「くる…し、い」
「ダーメ。もっと」
駄々っ子な彼には敵わない。
されるがまま唇を求められる。食べられちゃうんじゃないかと錯覚するほどに唇、舌、歯、粘膜が濃厚な愛撫にとろけていく。
舌を伝い熱い液体が送り込まれ、コクンと喉を鳴らす。喉を焦がす彼の透明な液体。
「ちょーだいよ。主も」
そんなの恥ずかしいって言ったらまた叱られちゃうかな。
「でもっ」
「ほら、はやく」
「ふ…ぁ…っ」
掻き出すように舌を動かされ、唾液と理性が奪われていく。舌が吸い込まれ強引に彼の中へ招かれる。
荒っぽいキスにちょっと驚いちゃったけど、でもそれが彼らしくて愛しい。
たぶんおそ松くんは気づいてないけれど。
おそ松くんに求められてる時、私は私を好きになれる。
必要とされてるのがたまらなく嬉しいんだ。