第2章 With Ray(レイ)
セスの質問に、暫くセスをジッと見つめたレイは、目を伏せると考えるように言った。
「....政治的な意味合いでは、アリスは持っといて損はない駒かもしれないけど、クレイドル的にはランスロットの言う通り、招かれざる客だろ。」
レイの発言に、幹部たちの表情が曇る。
「.....レイは、アリスが黒の軍の駒だって言うの?」
「違わないだろ?」
語気が僅かに怒り帯びるルカが静かに尋ねると、レイは抑揚のない声で答えた。
傍で腕を組んだフェンリルは、何も言わない。
「...つまり、何?ボスはランスロットと同意見ってこと?」
「ああ。ただ、アリス狩りは行き過ぎだと思ってるよ。」
「だから、軍を抜けて中立の立場になったはずの、あの感じ悪い元赤のクイーンに託すってわけ?」
とんでもない、とばかりにセスが喚いた。