第3章 過去side隼人
俺の名前は木之本隼人。
全国に支店を持つ旅館経営を中心とする様々な事業を展開している木之本財閥の次男。
初等部の頃は周りから「かっこいいねー」とか「また隼人くん成績学年1位だったみたいよ。すごいわねー」とかちやほやされて注目の的なのが嬉しかった。
でも中等部に上がると、「どうせ隼人くんは次男だから会社は継げないのね」「お兄様の晴人様ってかっこよくて成績も優秀らしいわよ」と兄と比べられるようになった。
会社を継ぎたくても継げないって事は俺自身が一番実感してる。
そして俺は跡取りがいないどこかの企業に跡取り息子として婿養子にされるんだろうなって、
将来のことを考えるとこの堅苦しい生活に嫌気がさした。どんどんひねくれた性格になっていた。
親父や爺さんからは木之本家の名に恥じない行動をしろとガミガミ言われるから、勉強も5歳からずっと習ってる剣道も人一倍努力はした。
容姿は良いみたいだから女子たちには騒がれるし、告白もされた。
正直めんどくせーとか毎日うぜーなとか思ってたけど、そこは木之本の名を汚さないよう、王子様スマイルで対応していた。
高等部に上がってもそんな感じで毎日過ごしていた。