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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第9章 媚薬。


ちゃぷん…。


薬研様に連れてきてもらった
大浴場は本当に綺麗でお湯も
いい温度で保たれている。


ここまで連れてきてもらって
薬研様に掴みかかり


『シャワー!シャワーだけ!
お願い!シャワーだけ…ね?』


っと強制したのは記憶に新しい
(さっきの事。)


薬研様は渋々とシャワーを浴びて
備えてあった浴衣に着替えここを
あとにし、きっと部屋の片付けを
してくれているのだろう。


ちゃぷん…。


肩まで熱いお湯に浸かると
先程の事が記憶に蘇る。


媚薬…そんなものが存在し
私に使用するとは思わなかった。


恨みがあるからかと思ったけど
彼の様子からして違うだろう。


予想でしかないけれど


一期一振様に関係している。
確認してないけれど、多分…


『はぁ、…審神者失格。』


なんにもわかっていない
所詮…私はこの程度なのかな。


半強制的に審神者をやれと
言われたけれど、最終的に
頷いたのは私である。


なのにこのザマ…
散々、犯されて狂わされて
自らも快楽を望むような体。


もう…壊れてしまおうか…いっそ


そんな発想になるまで
心が傷ついているのだろうか。


愛されたいかと一期一振様に
問いかけられて私は否定など
しなかった…。


愛されるなら愛されたい
誰だってそうだ…好き好んで
嫌われたくはないのだから。


初めての審神者にして
この本丸…前途多難…予測不可能


だけど、私は…


『愛されたいに
決まってるじゃないですかぁ…。』


お湯に鼻先つけて
こみあげる涙に鼻をすする。


傷付いた刀剣達を見て
平気でいられるほど鬼じゃない。


むしろ助けたい…だから
だから…ここに来たんです。


なのに…する事としたら
この体を弄ばれること…なんて


そんなに…愛されるというのは
難しい事なのでしょうか…。





ガラララッ…、


どこかの扉が空いた音がした。


すぐに聞こえる足音に
私は顔を上げて入口の方を見た。


曇ガラスで誰か見えないけれど
背丈からして太刀の方かと思う。


肌一色の姿からして
お風呂に入りに来たと思う…けど


あっ、まずい。
これはアレだ…俗に言うアレ。




ガラッ…。





鶴丸『おや、これは驚いた…っ。』




フラグが立った、である。


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