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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第2章 乱夜。


『ん…ぁ…はっ…。』


なんだその声は。


自分が色がつきそうな
乱れた声に目が覚めた。


加州『主…、』


"加州清光"である彼が
私を覆い被さるようにしている。


どうしてこうなった。


身動きできない状態から
必死に状況を整理した。


彼の両手によって手を抑えられ
縄のようなもので拘束されている。


体重をかけているので動けない。


(寝ている場合じゃないだろ自分。)


寝過ぎだバカと他人事のように
叱っていれば加州は顔を近づける。


ぬる…っとした舌で耳を舐めた。


『ひっ…。』


ゾクッとした感覚に身を震わせると
泣きそうな顔で見つめられていた。


なぜ私よりも泣きそうなんだ、君は


『主…お願い…俺…何でもするから
だから捨てないで可愛がって…ねぇ』


『あの…』


『どこ舐めて欲しい?どこでもいいよ
主の体ならどこだって舐めてあげる。』


そんなプレイは所望してません。


その細身でどこから力が来るのか
両手を抑えられたまま身動きできず
泣きそうな彼を見上げる形を続けた。


刀として心を宿した刀剣達を
傷つけた前審神者許すまじ、と
思っていれば加州は私の胸へと
手が這ってきた。


『主…小さくて可愛い…。』


デリケートな所を刺された気がする


『んっ…、』


それでもその優しい手つきに
思わず声が出てしまい彼はそれを
好機とばかりに激しさを増す。


『気持ちいいんだね…主…。』


ここで自由になった片手で彼を
押し退けることが出来たけど、


『んゃっ…。』


決してしてはいけない事だと思った


嫌だと言えば彼はなんと思う
気持ちいいと言えば激しさを増す。


彼にとって最善とは何か…。


『可愛いね…主…可愛い…』


ちゅ…ちゅっ…とリップ音が響く
直接耳に伝わり震えて考えが乱れる。


『…ひぁっ。』


初めてこんな声が出るんだと
涙目になる自分に気が付いた。


これは一体…誰の涙なのだろう。







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