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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第6章 夜戦。


『…寝付けない。』


久しぶりの静かな夜になり
ゆっくり休めるかと思ったけど
政府からの(クソ)伝達のせいで
眠れない夜となってしまった。


トイレにでも行こうかと
物置部屋を出て綺麗な夜空を
眺めながら静かな廊下を歩く。


すると前方に短刀を抱え
ガタガタ震えながら歩く
"五虎退"様がおりました。


(いや、てか、こっわ。)


そこら辺ふよふよしてる
幽霊よりも怖いよ、ほんと。


『………。』


ここで黙って待っていても
歩いてくる五虎退様と出くわす


ので、


五虎退『ひぃっ!?』


(こうなる、はい…。)


完璧に硬直してしまった
五虎退様の離れた所から
しゃがみこみ首を傾げた。


『トイレ、ですか?』


五虎退『とい、れ?』


『………厠ですか。』


こくん…と小さく頷いた。


現代っ子なものでトイレは
トイレなんです…すみません。


『お一人で…?』


五虎退『や…薬研兄さん…が、最近
考え事…してて…疲れて、て…僕の
せいで…起こしたく…なくて…。』


優しい心遣いに微笑みながら
鈍く光る短刀に目がいってしまう。


(傷、だらけ…。)


五虎退『あ…あの…。』


『私もこれから厠なんです。
良ければ一緒に行きませんか?』


五虎退『えっ!?えっ…と、あの。』


そう簡単に一緒に行ける筈もない
わかっていながら聞いてしまう。


私は目的地の場所の方を向き
後ろにいる五虎退様に振り向いた。


『先に歩きますので後ろをどうぞ』


一人よりは幾分かマシだろう…。
背中から刺されるかもしれないけど


五虎退『えっ…えっ…?』


『レッツゴー。』


一歩、一歩、歩き出すと
後ろからペタペタと足音が続く。


無言では寂しいだろうから
音痴であろう鼻歌をまじえて歩く


デタラメなメロディー
名もなき歌が生まれてゆく。



五虎退『………っ。』



歩く度に後ろから聞こえる
もう一人分の足音が嬉しい。





こんな夜も、悪くはない。





五虎退様…気づいてますか。


貴方と私の距離が近くなってる事に





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