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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第9章 狂うほどに君を愛してる / 徳川家康




「ここまできて、会わせられんだろ。 お前頑張ってたし」
「舞に触りたい」
「はい、五百一回目」

こぶしを握って、政宗は家康の頭頂部を、ぽかりと叩く。



「でもあれだな、舞も……」



『政宗、私早く、家康に会いたい』


羽織を届けに来た舞の様子を思い出し、政宗はにやりと笑った。



「うん、いいんじゃねぇの」
「……何がですか」
「今すぐ帰れ。 解放してやる」


その一言に家康はぽかんとしたが、すぐに顔を真っ赤にして政宗の胸元を揺さぶった。


「どんな顔をして帰れば」
「普通にただいま、で、いいんじゃねぇの。 仕事って事になってんだろ?」
「そりゃそうですけど……」
「とりあえず飯食って帰れ。 精がつくもん、作ってあるから」
「舞に触りたい」
「はい、五百二回目」


政宗は優しく笑って、家康の頭を勢いよく叩いた。

















意気揚々と御殿に帰ると、舞は家康の部屋の縁側で、縫い物をしていた。

いや、縫い物をしていて、眠ってしまったのだろう。
柱にもたれかかり、規則正しい寝息をかいていた。



(可愛い寝顔)



帰ってきたのに気付かず、呑気に寝ている舞の頭を、そっと撫でる。
その柔らかな感触に、胸がざわついた。


「ん……っ、家康……」


舞は寝ぼけたように名前を呼び、また穏やかな顔で寝息を立て始めた。



(俺の名前、呼んだ)



そんな些細な事が嬉しくて、つい悪戯心に火がつく。
家康は、舞の首筋や脇腹を指でくすぐった。
すると。




「や、あ……っ、家康……っ」




予想もしてなかった色っぽい声色に、思わず心臓が大きく高鳴る。
これではまるで、身体を重ねている時のような。



(帰ってきて早々、心臓に悪い)



そう思いながらも、もっと声が聞きたくて、舞の着物の袷に手をかけた。

少し前をはだけさせると、舞の真っ白い肌が浮き彫りになる。


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