第11章 純情アンチテーゼ / 伊達政宗
「うちで夕餉食ってくか? 好きなもの作るから」
「本当に? いいの?」
「ああ、一緒に食おう」
「嬉しい、政宗のご飯美味しいから」
舞が嬉しそうに、ふにゃりと笑う。
(この笑った顔、最高に好きなんだよな)
政宗は舞の腕を引き寄せ、自分の胸の中に閉じ込めた。
華奢な肩や、いい匂いの髪……
感覚が鋭くなって、もっと欲しいと、意外なほどの激しさで思う。
「なんなら泊まっていってもいいぞ」
「え……っ」
「その代わり、泊まるなら覚悟しろよ」
「……っ」
「無理じいはしない、どうする?」
頭を撫でながら、背中と腰に腕を回す。
つい腰あたりも軽く撫でると、舞の身体が少し震えたのが解った。
「じ、じゃあ、泊まっていこう、かな……」
顔も上げずに舞は答えた。
きっと今は真っ赤になって照れている事だろう。
「了解」
舞の両頬に手を当てて、上を向かせる。
りんごみたいな顔に、少し苦笑しながらも。
今日の夜の甘い時間を思い浮かべて。
政宗は熱い額に口付けを落とした。
終