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白い雪【名探偵コナン】

第24章 甘く冷たい宅急便──悪夢


「……で?一体このお兄ちゃんは誰なの?ボクこんな親戚がいた覚えないんだけど」

コナン君の声が刺々しくなる。
顔は笑っているのに、声は笑ってない。むしろ怒ってる。

「んー、組織の元幹部って所かな?組織では死んだことになってるのよ。だから変装もしてる」

声は変えてないけどね、と軽く笑うと、3人の表情は一変した。

「組織の人間を家に住ませてんのか!?」
「この人は他の組織の人とは違うんだってば……。桂羅兄、話してもいい?」

桂羅兄に許可をもらい、私は3人に話した。

「この人が組織にいたのは、組織に復讐するため。だから、むしろこちら側の人間といってもいいわ……。って言ってもいきなり『はいそうですか、じゃあ信用しましょう』なんて出来ないと思うから……とりあえず、『瀬里奈の親戚』って設定には合わせてくれる?」

私がそう拝み倒すと、3人は渋々ながら頷いてくれた。

「……ほな次はオレの番やな。このお子達は何で組織のことを知ってるんや?」
「……あ」

確かにそうだ。
桂羅兄はコナン君達が薬で幼児化してるってことを知らない。そうなれば、ただの子供達が組織の話を知っているということに違和感を持つのは当たり前だ。

「あー……まぁ色々あってさ?組織とかなり関わっちゃってるのよ」
「……それで納得すると思うか?」
「……デスヨネー……」

私はフフフフフと暗く笑った。

「……まぁ、今はそれで騙されてやるよ……」
「ありがとぉ桂羅兄っ!」

私はガバッと抱き着いた。
桂羅兄も私のその反応に慣れっこなのか、苦笑いで私の頭を撫でてくれる。
そんな私に何を思ったか、コナン君と哀ちゃんが私を桂羅兄から引き剥がした。

「まぁまぁ……。じゃあそんなことで。かいさーん!」

私はパンっと手を叩き、3人を家に帰した。

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