• テキストサイズ

白い雪【名探偵コナン】

第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン


「水が凍るから……氷って言うのかなぁ?」

水が凍るといえば、琴音さんの持っていたスポーツドリンクも凍っていた。
だがカチカチに凍っていて鍵が入るように見えなかったし、凍らせる前に入れたとしても、ペットボトルの外から透けて見えるはず──

そんな話を横溝警部と園子ちゃん、蘭ちゃんがしていると、コナン君がまたヒントを出した。

「だったらさー、鍵を入れた途端に凍っちゃうような……魔法の水があれば出来るかもね!」

コナン君の言葉で、私は閃いたように言った。

「そっか、過冷却水!」
「か、過冷却水?」

横溝警部が不思議そうな顔をしてこちらを見る。私は説明を付け加えた。

「水が凍るはずの凝固点、0度以下になっても液体のままでいる水のことで……振動などの刺激を与えると急激に凍り始めるんです……」
「で、でもそんな物を作るのは……」
「簡単ですよ?ね、安室さん?」

私はさらっと安室さんにバトンタッチをした。
安室さんは驚いたような顔をしたが、すぐにポーカーフェイスに戻る。

「作り方は、均一に冷えるようにペットボトルをタオルで巻き、マイナス5度くらいの冷凍庫に4、5時間寝かせるだけ……。振動を与えるとペットボトルの表面に沿って上の方から凍り始めるので……」

恐らく琴音さんは過冷却になったスポーツドリンクの中に鍵を入れて振動させ、上の方が凍ってからひっくり返して……鍵をドリンクの中央に寄せてから全体を凍らせ、園子ちゃんに飲ませたのだ。
だから、そのスポーツドリンクを溶かせば──琴音さんが石栗さんを殺害したという痕跡が出てくるだろう。

そこまで追い詰められると、琴音さんは悲しそうな笑みを浮かべて自供した。

/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp