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白い雪【名探偵コナン】

第20章 漆黒の特急──ミステリートレイン


──瀬里奈side

貨物車が爆破され、ベルツリー急行は近くの駅に停車した。
私達乗客は下車させられ、これから個別に事情聴取される予定だ。

「……つっかれた」

私はぐーっと背伸びをした。

──哀ちゃんは7号車のB室に隠れていた。お母さんが、『哀ちゃんが逃げ込むならこの部屋しかない』と言って彼女を待ち伏せて保護したのだ。
そしてベルモットとお母さんが話をしている時にコナン君が電話をかけたのは、ベルモットをお母さんの部屋に足止めさせるためのフェイク。

そして、(恐らく)バーボンの目の前で爆死した哀ちゃんは──

「……あ、もしもし快斗?無事?」

──怪盗キッド。
みんなが火事だと勘違いして逃げ出した隙に、コナン君と私で小蓑さんと住友さんを足止めしたのだ。

『おばあさん達、怪盗キッドとその手下でしょ?』
『え?』

住友さんに変装したキッドが腹話術で喋り、その声に合わせて手下が口パクするという仕掛けで、車椅子の小蓑さんを変装相手に選んだのは1等車の廊下の幅や長さを車輪の回転具合で計れるから。

『んで?オレに恩を売って何させようってんだ?』

快斗がそう言うと、コナン君はある映像を見せた。

『それ……』
『瀬里奈は知ってるよな?』

元の姿に戻った哀ちゃんの映像だ。

『この彼女に変装して、悪い奴らの追撃を巧くかわして欲しいんだ!奴らと話す内容はマイクで拾って、別室で待機している彼女本人がイヤホンを通して伝えるから……』
『あ、あと、彼らがこの子を追い詰める場所は、多分爆弾が仕掛けられてる貨物車だから気をつけてね♪』

そんなことを思い出してくすくすと笑う。

「これで貸し借りはチャラなの?」
『あん?違げーよ……』
「え?」
『こいつは貸しだってーの……。名探偵にもそう伝えとけよ!』
「はいはい」

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