第10章 Just the way you are
『猫ちゃんって… こんなに誰に内出血するほど噛まれたんですか?
はい、少し滲みますよ~』
櫻『く~~っ、 ありがとう。 アイツに噛まれたんですよ。 滝沢先輩に。 まったく……』
『え…?滝沢さんが? こんな事されるような悪い事
したんですか?』
別の治療室で看護婦に噛まれた耳の手当てをしてもらうと素早くスーツを着ると
まだ集中治療室で眠っている今井の姿だけ確認すると、そのまま病院を後にして、松本の待つ家へと車を走らせる。
櫻『あれ? ……電気消えてる。』
まさかまた…。
そう思って慌てて家に入るとやっぱり松本の姿はなく
深いため息を吐くと、そこに見ていたかのようにメールの着信音とバイブが静寂の中響いた。