第23章 リボルバーを回せ
櫻『潤………』
銃を手におもむろにそう呟く。
二人が握っていた拳銃は明らかに死亡の原因のものとは違っていた。
そして風の噂では凄腕スナイパーとか呼ばれている二人組がいて、ムロに少し話を聞いた時もその二人の事が出ていた事も
ずっと気になっていた。
『どうしたんすか。 大丈夫すか?』
あの事件のあと滝沢先輩は岐阜の県警本部所属の公安へと移動して、若い男が新しく下についた。
櫻『ああ。悪い。大丈夫だ。』
****
『あの…先輩、さっき潤って言いましたよね?』
目的の場所に付き、装備を堅め二人で息を潜めているとこちらを見ずに静かにそう聞いてくる。
『……聞こえてたのか。 ……そうだよ。 』
『え………?』
『聞いといて、え…は無いだろ ……別に何も隠すつもりも無いよ。
ただ、俺は真実が知りたいだけなんだ。
全ての真実がな……』
『俺にも協力させてくださいっ…』
そう言って意気込み前のめりになる相棒の肩をなだめるように叩くと『もちろんそのつもりだ』と微笑を返すと、リボルバーを廻した。