第2章 【松】おそちょろ生態観察日記
そっとチョロ松の手を掴む。
アルコール消毒されているせいか、確かにチョロ松の手は冷たかった。
てか割と潔癖な処があるチョロ松から手を貸してくれるなんていやもうほんと期待していーのかな。
「きょ、今日だけだからね」
チョロ松が赤い頬で云う。
「後デートなんだから兄さんの奢りねっ」
言い捨てて引きずる様にして早足になるチョロ松、可愛いしもうヤバイ。
にーちゃんアイドルに貢ぐチョロ松の気持ちわかるかもしれない。
「奢る!何でも奢る!」
「ハイハイ、飲み過ぎてつぶれないでね」
チョロ松と俺はそっと指を絡め合って夜のとばりがかかり藍色の空の下、一一歩き出した。