第2章 【松】おそちょろ生態観察日記
「ホントなんなの?てか、既に千円越えてるけど大丈夫なの?」
云いながらも何だか長ったらしい呪文のような物を注文をするチョロ松。
「はい、おそ松兄さんの分」
何やらこじゃれた飲み物が渡される。
正直味はする気がしない。
だって、ほら、チョロ松と、『デート』だし。
きっと映画を見てるチョロ松は可愛いし、そんなチョロ松を見ている間、他の感覚なんか働く気がしない。
「大丈夫、ほら、行こう」
上映時間は間近だった。
チョロ松も心なしか浮足立った顔をしている気がする。
二人で寸分違わぬ肩を並べてシアタールームへ向かう。
が、ん、予想外にカップルが多い。
アイドルや有名な若手俳優が多数出ている事で話題の作だからか昼間だというのに男女ペアの客が多いのだ。