第2章 【松】おそちょろ生態観察日記
「ほんとこれで良いの?」
チケットを買う列に並びコートの襟をゆるめながらチョロ松。
モールの中にある映画館は暖房が効きすぎていて暑い。
「うん。何か見たいなって」
一一チョロ松と。
チョロ松がどんな物が好きでそれを見てどんな顔をするのか。
改めて見た事がなかったから。
「何か悪いモンでも食べたワケ?」
目をすがめるチョロ松の頭を撫でるとぷいっと頭を振る。
「気持ち悪い」
手櫛でアホ毛を直し嫌がる顔すら可愛い。
チケットを買い、
「何か食べる?」
聞けば再びチョロ松は眉をひそめた。