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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第7章 第七章


長谷部さんはそう言った。そう言われたら断る理由が私にはなかった為微笑み分かったと頷いた。長谷部さんを隊長に…後五振りを誰に任命しよう。うーん、それだったら…

「織田パにしようか」
「はっ?」
「織田パーティー?織田組ともいうね?後は左文字兄弟を加えて…」
「あ、あの…主、俺には言っている意味が分かり兼ねます」

織田、織田、織田と何度も連呼する私に、混乱するように尋ねて来た彼を見つめる。私は紙を長谷部さんに渡して自信げな顔をする。中々いいパーティーじゃないだろうか。長谷部さん、不動くん、薬研くん、宗三さん、小夜くん、江雪さんの六人構成が完了した。しかし長谷部さんの表情は酷く引き攣っている。

「主、俺はあの男の事を…」
「嫌よ嫌よも好きのうちって言うでしょう?本当は尊敬していたんじゃないです?私が長谷部さんを見ると、織田を好きだから、あえて嫌いになろうとしている…そう見えましたけどね?」
「っ!…いえ、違います…本当に、俺は…」
「慕っているのが辛いからわざと嫌いになったり恨んで見たり…忘れられたら楽なのに結局嫌いになれない、忘れられないとか……なんて、いつの間にか私の感情も入っちゃってますね、ごめんなさい」

謝る私に、長谷部さんは酷く困ったような表情で首を左右に振っていた。けれど結局織田を嫌いにはなれないのだと彼の顔を見ると分かるのだ。忠誠心の塊のような男である長谷部さんは、純粋過ぎてアンバランスであった。それがまた心配になる。それに彼は私を見ているのか、それともまだ織田の背中を見ているのか分からなくなる時があった。

「長谷部さんは優しい…心配されたり、助けて頂いたりありがとうございます」
「いえ、そんな…」
「でも貴方は…本当に私を見ていますか?」
「あ、あるじ…?」
「まぁ、私もそれでいいかなと最初は考えましたけど…誰かの代わりなんて勘弁です。それに貴方は『主だから』主命を果たさなければいけないといつも言いますが…本当の所、小娘な私の命など聞きたいとは思っていなかったりして?」

私の嘲笑うかのような笑みと言葉に声を詰まらせる長谷部さんがいた。それがまた本当の事だというように思えて少しばかり腹が立つ、私は彼に近付くとオデコにぺチッと軽く叩き手の平を当てた。地味に痛かったのか表情を強ばらせて痛みに耐えているように見えた。私は彼のアゴを人差し指で持ち上げる。
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