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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第7章 第七章


「私も花が好きです…花の命はとても短く儚い。けれど精一杯生きていると花を見て元気を貰えたり、実感出来たり…育てたら綺麗に咲き誇る事や種から芽が出てまた花を咲かせる事だって出来る。貰えて嬉しかったり…好いた人に想いを伝える事だって可能です、特別なモノだと思うんですよね?」
「貴女は…特別な方から頂いた事があるのですか?」
「えぇ、まぁ…プリザーブドフラワーを知っていたのはその人から貰った事があったからなんですよね?あの時の思い出は…今もまだ、消える事なく覚えています」

彼から貰ったプリザーブドフラワーはとても綺麗で可愛らしくて…私と付き合って一年のプレゼントだった。案外ロマンチストだった卯月はプリザーブドフラワーのメッセージカードと一緒に、ネックレスを箱に入れて添えてあった時はきゅんと来たモノだ。

「はぁ…」
「…主」
「はい?……っ!えっと…江雪さん?」

彼が持っていたスミレを私の耳元に差した。紫色の花が耳に掛けられて恥ずかしくなる、うつむく私に江雪さんの瞳は穏やかで微笑んでいた。

「貴女に憂い顔など似合いません…」
「あの、この花…」
「良くお似合いです…」
「あっ、いや…そうじゃなくて…」
「小夜がありがとうございました…」

そのお礼だというように微笑む江雪さんの表情を読み取った私はスミレをお返しする訳にもいかなかった為、素直に笑い返した。

「ありがとうございます、とても嬉しい。大切にしますね?」
「はい…せめて貴女の為に祈りましょう」

幸せになりたいと言った言葉を江雪さんは覚えていてくれたのだろうかと小さく笑う、私が動く事にふわふわとスミレが耳元で揺れ動いていた。

+++

皆さんにお守りを渡し終えて、執務室出陣で誰を行かせるかなどを考えていた。しかし昨日まで遠征に向かっていた刀剣男士達はまだ疲れが癒えていないだろうから止めておいた方が良さそうだと考える。悩む私は唸り声を上げて透明な画面をスワイプさせた。私の後ろでは長谷部さんが正座で座り、私の言葉を待っているように思えた為軽く声を掛けて見る。

「あの…長谷部さん」
「はい、どうなさいましたか…主」
「いえ、今から出陣の構成を行おうと思いまして…ただこの広く沢山の刀剣男士達から六人を選ぶというのがいまいちピンとこないと言いますか。選べないんですよね…」
「主、それならばこの俺をお使い下さい…」
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