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【HQ】君に好きだと言えたなら

第1章 キスから始まる恋の話(牛島若利×白布姉)


 牛島君と話すようになって分かったこと。
 牛島君は無口だし、言葉数も足りない。誤解されやすい性格。まあ、私も誤解してた人間だけど、賢二郎が追いかけた存在が、牛島君で良かったな、って思うと自然と牛島君の頭に手が伸びて、くしゃくしゃと頭を撫でた。
 コミュニケーション能力に欠ける牛島くんだけど、一度可愛いと思ってしまえば、それからは新しい弟が出来たみたいで何だか嬉しかった。

 そんな牛島君の存在に癒され、なんとか辿りついたゴールデンウィーク。あのクソ上司のせいで、ゴールデンウィークも出勤になってしまいそうな勢いだったか、なんとかゴールデンウィークをもぎ取った。ゴールデンウィーク、どうしても休みたかった理由は疲れているからっていうのもあるけど、一番の理由は、久しぶりに賢二郎が東京に遊びに来ることになっていたからだった。

 インターホンが鳴り、牛島君が扉を開けた。扉を開けた相手が私でなく、牛島君だった事に驚いた賢二郎の顔は傑作だった。


「なんで、牛島さんが、」
「よく来たな。」
「え、あれ?え、ちょっと姉ちゃん!どういうこと!?」


 驚く賢二郎と普段通りの牛島君。笑わずにはいられなかった。


「いつから二人は一緒に、」
「上京してすぐだ。」
「前からそういう関係だったんですか?」
「そういうとは?」


 続けられる二人のやり取りに、笑いが止まらなかった。


「賢二郎、予想通りのリアクションありがとう。」
「俺、聞いてないんだけど。」
「ビックリさせようと思って。」
「ビックリ所じゃないよ。付き合ってるなら前もって言っおいてよ。」
「付き合ってないよ。」
「え?じゃあなんで一緒に、」
「隣に住んでるの牛島君。それで、いつも一緒にごはん食べてる。」
「…意味わからないんだけど。」
「食事を一緒に取ってるという意味だ。」
「牛島さん、違います。なんで食事を一緒に取っているのかって意味です。」


 それに牛島君は首を傾げた。その光景が面白くて私はまた笑った。

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