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【HQ】君に好きだと言えたなら

第6章 俺を動かす理由はいつも君(潜尚保×白布姉同僚)


 ゆりちゃんと共に夕食の買い出しに出掛ける事になり、久しぶりにゆりちゃんの隣を歩いた。昔はゆりちゃんの方が背が高かったのに、ゆりちゃんの背は中学で追い抜いた。ゆりちゃんの隣を歩ける日が来ることを夢見て、ただ、それだけの為に頑張って来た。勉強もスポーツも。
 買い物を終えた帰り道、隣でアイスを食べながらあるくゆりちゃんに今の彼氏と結婚するのかと尋ねれば、しないと答えた。その言葉に少しホッとした。結婚して誰かの奥さんになったゆりちゃんを横取りしようとする勇気は流石にない。


「取り敢えず付き合ってるだけだから。もっと稼ぎのいい男じゃないと結婚したくないし。」
「…俺がさ、大人になって、稼ぎのいい仕事に就いたらゆりちゃんは俺と結婚してくれる?」
「はあ?何言ってんの?私年下とか無理だから。」


 どんなに頑張ってゆりちゃんの理想に近付いたとしても、俺とゆりちゃんの年の差が逆転する事は決してない。


「尚保はさ、背高いし、スポーツ出来るし、頭も悪くない。同年代の女の子からモテるでしょ?もう少しにこっと笑いでもすれば女子高生なんてイチコロだと思うよ。まあ、尚保が笑ってる所とか想像出来ないけど。」


 ゆりちゃん以外の人に好意を持たれても意味は無い。いつだって好きになって欲しい人はたった一人。ゆりちゃんだけ。


「ゆりちゃんは笑ってる人の方が好み、なの?」
「私?私はクールな人の方が好きかな。」
「なら俺は今のままでいい。」


 ゆりちゃんが笑ってる人が好みだというのなら、感情を表に出すのは苦手だったけど、頑張ろうと思った。頑張りたいと思った。


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