• テキストサイズ

神隠れの少女【NARUTO】

第9章 アカデミーの日常


数週間経って、ようやくアカデミーにも慣れてきたが、ルナは相変わらずぼっちだった。

(まあ、イタチ兄さんがいるからいいけど。)

くノ一からの人気ナンバーワンのイタチとあんなに仲良くしていて、ぼっちで済むなら安いものだ。

だが、イタチはそうは思っていないようだった。



「ルナ、大丈夫か。」

「授業のこと?大丈夫大丈夫、楽勝だよ。イタチ兄さんもそうでしょ?」

「そうじゃなくて…………

………友達、できたか?」

「…………イタチ兄さんは?」

イタチはこの間の手裏剣の合同授業の後、ルナについて根掘り葉堀り聞かれて、全て、

「さあな。」

で通して孤立したことを思い出してげんなりしたが、顔には出さず、

「いや、いないが。」

と言った。だが、ルナにはわかってしまったようだ。

「私の、せい……?」

「いや、ルナのせいじゃない。」

ルナが涙目になっているのに気づいて、慌てて言った。

「でも……ごめんね………」

ルナは尚も言い続ける。

「ルナのせいじゃないと、言ってるだろう!」

「…………っ……」

イタチは思わず声を大きくしてしまって、ルナはビクリと震えた。


「ごめんな、ルナ……守ってやれなくて………」

イタチはなんとも言えない気持ちになって、そう言って幼い妹をギュッと抱き締めた。

「イタチ兄さん、私はね、イタチ兄さんがいるだけで幸せだから。

………だから、平気だよ。」

「ルナ……俺もだよ。」

「それに、私達は、きっとすぐに卒業するから。

…………だから、頑張ろう?」

「そうだな………」


ルナは風の噂で、イタチは飛び級しそうだと聞いていた。

イタチの方も、くノ一の小さな子が凄く優秀だという噂を耳にしていた。

だから二人とも、あまりぼっちを気にしていなかった。

まあ、相手がぼっちなことは気にしていたが………

とにかく、何もルナとイタチの間には入れなかった。
/ 826ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp