第1章 moon
あたしには、彼氏が居てる
大倉忠義
高校に入学して付き合い始めて
20歳になった今も付き合ってる
『忠義ー。なぁー聞いてる?』
忠義「んー?」
『来月で付き合って5年やで?何かしやん?』
忠義「んー・・・何したいー?」
『だから、さっきからそれを聞いてるんやん・・・』
忠義「んー・・・」
忠義は、スマホ片手に返事
会うのも月に1回ぐらいになった
それやのに・・・
忠義は、ここ数か月そんな感じ
倦怠期
そんな言葉が、今のあたしらには、合うんかも
あたしは、一人暮らしの忠義の為に夕食を準備して帰った
忠義は、「ありがとうー」
その言葉だけやった
アホ・・・
ぎゅって抱きしめたり、チューしたり・・・
したいのに・・・
帰り道の街灯の下で、月を見ながらそう思った
ドンッ!!!!!
後ろから、誰かにぶつかられた