第5章 強者どもと耳のあと
と思うが、楽しそうに耳の話をする様子にまいっかと思うのだった。
薬研「はい、あーんは?」
月海「…にゃっ!?」
考え事をしていた月海の鼻先に豆腐を持って来た薬研が口を開けるのを待っている。
薬研「だってはしもてないんじゃ、自分じゃ食べらんないだろ大将?」
月海「こんっ!ばっ!!しゃーっ!!!」
恥ずかしさで遂に切れた月海が薬研に猫パンチをした。
どっと笑いが起きて、楽しい空気が広間を満たしていく。
光忠が切ってある野菜を取りに台所へ向かおうと廊下に出た。
途中で外の景色が目に入る。
すっかり暗くなった外。
いつの間にかまた雪が降り出していた。
光忠「明日も冷えそうだねぇ。」
そう呟いて歩いて行く。
その頭に生えた馬の耳は嬉しそにぴょこぴょこしていた。