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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第10章 月潮と少女 裏


その夜、ルルと同じ部屋に居辛くなってしまい、夜中に派手な街の方まで出掛けて、適当な女を引っ掛けて帰ろうと思った。
ネオン街にはそこら辺中に金目当ての女がいて、その中で一番彼女の顔立ちに近い奴を探し、近場のホテルまで連れて行った。
似た感じの髪型と少しだが幼い顔立ち、名前はもう覚えていない。
ただ、声があり普通に喋るのが物凄く癇に障る。
「クロロさんおいくつなんですかー?」
などどうでもいい質問をひたすら繰り返している。
答える義務はないが、と答えると不満そうな顔をし、つれなーいと不服そうに不満をたらす。
シャワーから上がった彼女は全然ルルと違っていた。
年も多分上だろうし、豊満な胸、そもそも身体付きが全く違った。
かと言って彼女程小さく華奢な身体はあの境遇だからなし得た物で、本来女はこのくらいが普通だ。
別にいわゆる少女趣味というわけでもないはずなんだが…。
女を見ていると色々考えが浮かんでは消えの繰り返しで、最初の性欲はどこかに消えて行ったのじゃないかとすら思えた。
バスタオルをベッドに投げると、女が膝の上に乗ってきた。
決して言ってはいけないだろうけど、つい、重い、と口に出して言ってしまった。
女はかなりむっとした表情をした。
「そんなこと言わないで?貴方が選んだんでしょ?」
顔だけでな、と心の中で悪態をついておいた。
女がキスしようと顔を近づけてきた。
最初はそれに答える気だったが、気付いたら薙ぎ払って女をベッドに座らせていた。
こんなこと、今までなかったんだが…。
「ちょっと、何?やる気ないの?」
苛々しながらそう言われたが、言われた通りだった。なんのこともやる気なくしていた。
「悪い、用事を思い出した。金は払うよ。」
「いい顔してるからってこっちがサービスすれば…。」
女はぐちぐちと文句を言ってきたが、俺はもうネクタイを締め、着てきた背広を羽織り、帰る準備を整えていた。
「ちょっと、本気で帰るの?」
「ああ、悪いな。そっちの言い値で払う。」
買ってしまった物はしょうがない、その上、顔はやはり少し似ている。
何故かそれだけで同情してしまった。
相当重症だな、と自分を笑った。
「小切手でいいか?」
財布からそれを取り出し、記入すると手渡した。
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