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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第17章 記憶と私達


「あれが人間としての扱いなら、死んだ方がマシだな。」
「ご覧なさい、今の人形の姿。
表情を押し殺し、自分の意志すら伝えられない哀れな被験体。
あれのどこが人間だと仰るのです?」
ルリアはくすりと笑い、振り返った。
美しいルルと同じ色の髪がきらきらと光りながら線を描く。
「だから俺は取り返しに来たんだ。彼女自身を。」
すっとクロロは構え、ベンズナイフをルリアに向けて投げる。
ルリアはひらりと避けると、クロロに手のひらを差し出した。
「わたくしの念能力をお教えいたしましょう。あらゆる記憶を吸い取り、オブジェにする。
アンティーク・メモリアル。」
彼女の装飾のような手のひらが光ると、紫水晶の飾りが出てくる。
眩い光を放ち、ごとっという音と共に床に落ちる。
そして壁に刺さっている先程投げられたナイフを取ると、一気に持ち主の胸元に向かって突きをかます。
「…!身体が…。」
避けようとクロロが身体を動かそうとすると漸く異変に気づいた。
「ふふ、今床に落ちたのは貴方の《戦いにおいての術の記憶》。今なら素人のわたくしでも勝てるわ。」
切っ先がキラリと光り、クロロの舌打ちが聞こえる。
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